イモリは池や川など水中にいて、ヤモリは窓ガラスにいて、トカゲは陸上にいるイメージがありますが、同じような身体をしているので全て爬虫類で仲間と思えてしまいます。
しかし、実は全てが爬虫類ではないのです。
そこでそれぞれの特徴を示しながら、イモリやヤモリそしてトカゲの違いを述べていきます。
イモリ、ヤモリ、トカゲの生態による違い
日本に一般的にいるイモリはアカハライモリで、ニホンイモリとも呼ばれています。
アカハライモリはヤモリやトカゲと違い、有尾目イモリ科イモリ属の両生類です。
春になると水中の水草に産卵して、生まれた幼生は水中で成長します。
成体と同じ形体になると乾燥にも耐えられるようになり、陸上に上がります。
陸上で昆虫やミミズなどを捕食して3年から5年過ごした後に水中に戻ります。
ヤモリはニホンヤモリといって、有鱗目ヤモリ科ヤモリ属の爬虫類でトカゲの一種です。
ニホンヤモリはトカゲと違い、山や森などにはいないで昼間は人家の壁の隙間などにいます。
夜になると明かりが灯ったときに外に出て、窓ガラスなどに集まった虫を捕食します。
5月から9月までの期間に3回くらいまで2個ずつの卵を産みます。
卵は木や壁面に産んで2ヶ月ほどで孵化します。
ヤモリは古くから家を守るといわれていて、縁起の良い生き物として多くの人たちに大切にされていました。
日本にいるトカゲはニホントカゲとニホンカナヘビになります。
ニホントカゲはトカゲ科トカゲ属で、ニホンカナヘビはカナヘビ科カナヘビ属の爬虫類になります。
ニホントカゲは墓や城壁などの、日当たりの良い石で出来た斜平面の隙間で生息しています。
ニホンカナヘビも平地や低い山などの草地に生息しています。
ニホントカゲは石や倒木等の下に巣穴を作りに5・6月に5個から16個の卵を産みます。
ニホンカナヘビは、5月から8月頃に草の根際などに数回に分けて2個から7個ほどの卵を産みます。
イモリ、ヤモリ、トカゲの再生能力の違い
アカハライモリは再生能力が高く尾骨までは再生できないトカゲと違い、尻尾や肩から先の四肢が切断されても骨を含めて完全に再生することができ、目のレンズさえも再生することができます。
ヤモリは驚いたり捕まりそうになると尻尾を切るけれど、完全に元の状態には再生できないので、再生した尻尾を識別することができる。
ニホントカゲやニホンカナヘビも尻尾を切るが、再生は完全な骨まで再生できず軟骨が支えている。
まとめ
イモリやヤモリ、トカゲともに尻尾を切る特徴はありますが、再生に違いがあり、それ以外の生態にも違いがありました。
特にイモリの再生能力には特筆すべきところがあります。
生き物の特徴を研究分析して、その特徴を模して現代の技術に応用していこうという、ネイチャーテクノロジーという分野があります。
ヤモリの窓ガラスに張り付く指の研究から粘着テープの開発が行なわれていますが、再生能力の研究など私達の生活をさらに豊かに快適にしてくれる可能性をもっているこの3種類の生き物に、これからも目が離せません。