5月から7月頃に咲くネジバナは公園の芝生や緑地帯で割とよくみかける植物です。
形状がちょっと変わっていて人目を引きますが、ネジバナの育て方や花言葉について調べてみると、意外なことがわかりました。
ネジバナはランの仲間
ネジバナは一見雑草のようにも見えますが、花の形をよく見るとわかる通り、ランの仲間です。
昭和の終わり頃、野生ランブームに乗り、斑入りの個体が収集されるなど、一時流行したこともあったそうです。
今現在も、山野草コーナーなどで鉢植えを見かけます。
茎の先の緑色の子房に真横向きに咲いた細かい花がネジのようにらせんを描いてつくことから、このような名前がついたと言われています。
ちなみにらせんは右、左どちらか一方ということはなく、右巻きと左巻きの比率は大体1対1だそうです。
また、ねじれが途中でなくなったり、方向が変わるものもあります。
ネジバナの育て方
ネジバナの育て方自体はそれほど難しくありません。
年間通して日当たりの良い場所に鉢を置き、冬は霜が当たらないようします。
水やりは土の表面が乾ききらないうちにたっぷり行い水切れに注意しますが、特に肥料は必要ありません。
株分け、種まきで増やすことができ、株分けなら3月か9月、種まきは花の咲き終わった後にできた種を、親株の株元に撒きます。
ネジバナの種は開花後1ヶ月で種が熟し、飛んでしまうため、採取するタイミングを逃さないようにします。
種はどこに巻いても育つというわけではなく、親株の株元か、湿地性のランを育てている土でないと発芽しません。
これは、発芽するのにランの根に付いている特殊な菌が必要だからです。
ネジバナの花言葉
ネジバナの花言葉は「思慕」だそうです。
思い慕うという意味ですが、「思慕をつのらせる」「思慕を深める」といった言い方をするように、なんとなく切ない感情をイメージさせます。
実際この花言葉は、万葉集の歌
芝付(しばつき)の御宇良崎(みうらさき)なる根都古草(ねつこぐさ)逢ひ見ずあらば吾(あれ)恋ひめやも
を元につけられたそうです。
歌の意味は、「芝付の御宇良崎に咲く根都古草(ネジバナのこと)のように、もし出会わなかったらこんなに恋焦がれることはなかっただろうに」だそうで、らせん状にねじれて咲くネジバナを、身をねじって恋焦がれる姿に重ねたのかもしれません。
ネジバナの育て方や花言葉をご紹介しました。
育て方はそれほど難しくありませんが、種をまくときは少し注意が必要です。
花言葉の元になった歌に出てくる根都古草については諸説ありますが、ネジバナの姿と身をねじって恋焦がれる様子は確かにどこか重なるように思えます。