世界にはたくさんの国際機関がありますが、その多くはスイスにある事をご存知ですか?
WHO(世界保健機関)WTO(世界貿易機関)ILO(国際労働機関)赤十字国際委員会などなど、このような国際機関の本部の多くがスイスのジュネーブにあります。
しかし、なぜこれ程多くの国際機関がスイスに集まっているのでしょうか?
そこで今回は、その疑問について解説します。
スイスは永久中立国
国際機関が集まる、最も大きな理由はスイスが「永久中立国」だからと言われています。
永久中立国とは、将来どこかで戦争が起こったとしても、どちらの敵でも味方でもなく、圏外である事を意味しています。
また、永久中立国は中立である事を宣言し、他国もそれを保証、承認している「永久中立」の立場を取る国の事です。
つまり、世界でどんな状況が起こっても、一方に加担する事のない唯一の国家なんです。
2002年、ついに国連に加盟しましたが、中立国であるためEUには加盟していません。
このような国に国際機関を置かないと、政治的問題によって主張が一方に偏った議論になったりしてしまう可能性があるので、中立の立場であるスイスに多くの国際機関が集まっているのではないかと言われています。
また、スイスは憲法上、フランス語にイタリヤ語、ドイツ語を母国語として定めており、近隣の国から人も集まりやすい国になっています。
ジュネーブに多い理由
スイスの中でもジュネーブには最も多く、25もの国際機関が集まっています。
でも、なぜ首都であるベルンではなくジュネーブなのでしょうか?
その理由としては、もともとスイスは4つの地域が集まってできた国家だからです。
そのため、その都市によって役割を分担されており、政治は首都であるベルンで、経済はチューリッヒ、文化はバーゼル、外交はジュネーブとして、各都市の発展に偏りが出ないようするために分担されていると言われています。
なので、国際機関の多くはジュネーブに本部を置いていると言われています。
また、有名な機関としてはIOC(国際オリンピック委員会)FIFA(国際サッカー連盟)がチューリッヒに本部があります。
なぜオリンピックやサッカーの国際連盟までスイスにあるのかと思いますが、どちらも世界的にとても影響のあるイベントであり、政治的、経済的問題にも繋がる可能性が高いため、それを防ぐために、国連の本部があるスイスに本部を置いていると思われます。
まとめ
このような理由から、国際機関の多くはスイスにあるのだと思われます。
上記にもあるように、2002年ついにスイスも国連に加盟しましたが、中立の国を貫くためにとても長い時間議論が行われてきたそうです。
このような、中立の国の立場を貫く姿勢が、今までたくさんの国際機関が集まってきた要因でしょう。