気が置けないという言葉の由来と正しい使い方

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「気が置けない人」と聞くと、油断がならない人とか気をつけなければならない人と勘違いしてしまいがちですが、実は全く違う意味の言葉になります。

それではなぜ勘違いをしてしまうのか、その由来と正しい使い方を述べていきます。

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言葉の意味からの解釈

気が置けないを勘違いしてしまうのは、置けないという言葉を置くことができないという不可能の意味として思ってしまうからだと思われます。

しかし、置けないという言葉は置く事ができないという意味ではありません。

言葉の意味で置くという言葉は、物を置くという意味以外に、気を遣うとか遠慮するという意味や、打ち解けないで心に隔てを置くという意味もあります。

気は心の状態や働きなどを意味する言葉ですから、気が置けないとは心の状態を隔てて置く事ができないという意味になり、気が置けないという言葉は、遠慮をしたり気を遣うことがなく、心が打ち解け合っているという意味になるのです。

ですから使い方としては、アイツは幼馴染みで気が置けない仲だという形で使うのが正しい使い方になります。

文法からの解釈

間違って解釈してしまった置く事が出来ないという言葉は、文法的に可能を表す言葉の否定形の意味になりますが、気が置けないの「置けない」という言葉の由来は、自発助動詞である「れる・る」の否定形になります。

自発助動詞の「る」には自然にそのようになってしまうという風な意味がありますから、気が置けないは自然に気を遣わないでいられるという意味になります。

その他の置けない

似たような表現で風上にも置けないとか隅に置けないという言葉があります。

風上にも置けないの使い方は男の風上にも置けないなどと使いますが、風上にいるだけでも臭いが漂ってきて臭いので、その場にいて欲しくないというニュアンスがあります。

隅に置けないの使い方は「モテモテで隅に置けないなぁ」などと使い、隅に置いておくにはもったいないという意味になります。

どちらもその由来は自発助動詞の否定形ではなくて、可能の否定形の置く事ができないという意味になります。

まとめ

同じ置けないを使う言葉でも、言葉の由来が自発の否定か可能の否定かで違ってくることが分かってきましたが、そのどちらかを判断するために単純に助動詞の「る」をつけるだけでは判断が難しい言葉もあるので、言葉の由来を知って使うようにすることが懸命だと思われます。

そして、「あの人は気が置けないので油断ができない」という使い方をしてしまって恥ずかしい思いをしないようにしたいものです。

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