Vhsとベータと言えば、ビデオ戦争が有名です。
この戦いは両者のシェア争いであり、ベータ派のソニーが敗れ、vhs派の日本ビクター(現JVCケンウッド)の勝利で幕を閉じました。
一般的に、ベータのほうがvhsより画質がいいと言われていますが、画質以外にも何か違いがあるのでしょうか。
歴史を振り返る意味でも違いを調べてみました。
vhsとは
日本ビクター(現JVCケンウッド)が1976年に発売した家庭用テープレコーダーです。
ベータなどの戦いの果てに世界レベルで普及することとなりました。
ベータよりも画質が低いとされましたが、普及したのには理由がありました。
・部品が少なく、精密な部分や調整部分も少なく、量産が容易。
・各社ともに家庭用を意識して開発をしたので、一般ユーザーに分かりやすかった。
・ベータが躊躇したアダルトビデオの販売を積極的に進めたのが、普及の一助になった。
以上のような理由があったようです。
最終的に日本ビクターの親会社でありベータ派であった松下電器(現パナソニック)もvhs派に転向しました。
性能は当初こそ低く、長時間録画は1990年代まで見られた画質ではないとされていましたが、たび重なる改良により少しずつではありますが、画質や音声が改善されていきました。
ベータとは
ソニーが開発し、1975年に発売したビデオテープレコーダーです。
業務用のビデオデッキをベースに開発したこともあり、vhsよりも様々な機能を搭載したモデルもあるようです。
画質はvhsよりいいとされ、標準画質録画では最長200分もの録画が出来ました。
標準で200分録画が出来る上に、長時間録画でも画質面で有利で、販売初期はベータもシェアがあったのですが、のちにビデオ戦争で敗れることになります。
Vhsと違い、普及しなかった原因は様々あり、
・ソニーが性能にこだわったあまり、マニアにはウケたが、一般ユーザーには分かり辛くなってしまい敬遠された。
・vhsより値段が高い。
・ビデオデッキが家庭に普及する過程で、廉価版の開発と販売が出遅れた。
などといった理由があったそうです。
まとめ
Vhsとベータは共にビデオテープレコーダーとして発売され、規格の違いから熾烈なシェア争いが起こりましたが、vhsを開発した日本ビクターに軍配が上がりました。
これは、機種の性能といったものよりは両者の販売戦略の違いにより勝敗が決したと言われます。
性能面で劣りながらも、家庭で使うことを強く意識した日本ビクターのvhsの戦略は見事に当たりましたが、それに比べ、ソニーは機種の性能に力を入れたあまり、大きなシェアを持つ機械に詳しくない一般家庭ユーザーへの意識がおざなりになった印象があります。
今はどちらも生産が中止になっていますが、科学技術の発展に寄与したとして、ベータ家庭用1号機「SL-6300」やvhs方式家庭用ビデオ「HR-8300」が国立科学博物館の未来技術遺産として登録されています。