産後に腰痛を訴える人が多いのはお産により骨盤が開く事が大きく関係しています。
産後の腰痛の多くは、一時的なものですが、無理をすると慢性化することもあるため、正しいケアをする必要があります。
産後の骨盤の状態
女性の体は分娩時、骨盤を左右に広げて赤ちゃんの通り道を作ります。
出産のために広がった骨盤は、その後、約3~4ヶ月、遅くとも半年かけて自然に元に戻りますが、それまでの間、骨盤周りの筋肉や靭帯は柔らかくゆるんだ状態になっています。
そのため、産後に体に無理な負担をかけると、骨盤の歪みを引き起こしやすく腰痛の原因や悪化につながる事があります。
骨盤の歪みが引き起こす症状
骨盤の歪みは腰痛だけでなく、冷えやむくみといった体の不調を引き起こします。
これは、骨盤の開きが戻らないことで内臓の位置が下がってしまい、腸や子宮が圧迫されて、血流が悪くなるためです。
しかし、とりわけ腰痛を訴える人は多いのは、授乳や抱っこ、オムツ交換など、それまでしてこなかった動作が増えることで腰への負担が増大することに加え、妊娠中に大きなお腹を支えるために骨盤が前に倒れた状態になることも関係しています。
腰痛を軽減する方法
骨盤ベルトをつける
骨盤の位置を矯正するベルトをつけることで骨盤の位置が戻りやすくなります。
ウエストが固定されると腰痛も緩和されるので、積極的に使ってみましょう。
ストレッチをする
簡単なストレッチは骨盤周りの筋肉が鍛えられるので、骨盤の歪みに効果的です。
仰向けで膝を立てたまま左右に倒して腰をひねったり、足を伸ばして座った状態で手を使わず、お尻だけで少しずつ前へ進む運動など、気づいたときや寝る前に続けてみましょう。
ただし、お産の影響から体が回復するためには産後1ヶ月間は安静が必要です。
個人差もありますので、ストレッチはその後の体の様子を見ながら無理のない程度に行うことが大切です。
また、腰の痛みがひどい時にはあまり無理しないようにしましょう。
授乳クッションを使う
赤ちゃんがまだ上手におっぱいを吸えない新生児期は、お母さんも必要以上に力が入り無理な体勢になるために腰痛を引き起こしやすくなります。
クッションを一つ入れるだけで、体勢が安定し楽になることもあるので、上手に利用しましょう。
睡眠の質を上げる
出産後しばらくは、まとまった睡眠時間が取れず、どうしても睡眠不足になります。
少ない時間でも良い睡眠が取れるよう、いろいろと工夫してみましょう。
なるべく湯船につかり、体を温めた後眠るようにしたり、寝る1時間前はパソコンやスマホの画面から離れるようにします。
腰の痛みがひどい時には、腰の下に小さいクッションやタオルを丸めたものを入れて休むと少し楽になります。
産後の女性の骨盤の状態は腰痛を引き起こしやすく、骨盤の歪みが腰痛を悪化させることもあります。
正しい骨盤ケアは腰痛を改善するだけでなく、産後太りを防ぎ、代謝を上げるためにも効果的ですので、ぜひ実践してください。