寄生虫に脳がコントロールされるなんてまるで昔の漫画にでもありそうですが、実際に脳をコントロールするといわれる寄生虫がいます。
外国の話と思われる方もいるでしょうが、日本にもいるのです。
どのような経路で侵入し、どんな症状が出るのかを解説します。
脳に寄生する寄生虫って?
名前はトキソプラズマといいます。
どこにでもいる小さな虫で、特に豚肉・鹿肉・羊肉で多く見つかるそうです。
野良ネコや外を出歩くような猫の糞便にもこのトキソプラズマが含まれています。
ほとんどの鳥類と哺乳類に感染する可能性を持っていて、中には性格が変わるという人もいるそうです。
トキソプラズマの症状って?
トキソプラズマに感染しても健康な人なら多少、リンパ節が腫れたり、疲労感を感じるくらいの症状なのでなんともありません。
ただし、免疫不全系の病気など重篤になりやすい方もいますので、そういう方及びご家族の方は注意が必要です。
性格を変えてしまうという報告例が多くあり、男性は反社会的、集中力散漫、嫉妬深い、危険行為に走ることもあるという攻撃的な性格になるようです。
女性では社交的になったり、異性に媚を売るようになったりとふしだらな性質を持つようになるようです。
この性格の変化は脳のドーパミンの量の変化によるものではないかとされます。
寄生虫が脳をコントロールをするといわれるのはこの性格の変化によるものですが、寄生虫がこの変化にどのように関与しているのかは不明な点が多いようです。
トキソプラズマ予防法
・肉は完全に火を通すか24時間以上冷凍をしましょう。
・調理器具はきちんと洗いましょう。
・ガーデニングなどをする方は終わった後はきちんと手を洗いましょう。
・野菜や果物もきちんと洗いましょう。
・猫を飼っている方は、猫は室内で飼いましょう。
基本的に、食中毒の対策と同じで、生肉を食べなければ感染はほとんどしませんし、したとしても症状らしい症状を感じることなく体外へと排出されてしまいます。
昨今、ローストビーフやローストポークなど中心部が赤い肉が流行っていますが、きちんとトキソプラズマが不活性化する程度には火が通っているので食べても大丈夫です。
最後に、脳をコントロールする寄生虫と聞くと怖いイメージが先行してしまいますが、どこにでもいる上に、脳がコントロールされたかのように性格が変わるということも稀です。
しかし、豚の生肉ばかり食べていた中国のおばあさんが全身寄生虫に感染し、激痛に襲われたというまるで都市伝説なのでは? と疑いたくなるような話もありますから、肉類はきちんと火を通して食べましょう。