鹿児島県の屋久島と奄美大島の間にあるトカラ列島には、無人島を含めた多くの島が存在し、その中の7つの島に人が住んでいます。
そんなトカラ列島に最近群発地震が起こっており、注目を集めています。
トカラ列島とその近辺の地震の歴史
トカラ列島で起こった震度5以上の大きな地震については、2000年10月に震度5弱から5強の地震が3回観測されています。
震度1~2の地震は毎年頻繁に起こっており、地震の多い地域と言えますが、特に、2016年2月以降は震度3以上の地震が2月、3月、4月、7月とたて続けに起こっています。
トカラ列島だけでなく、トカラ列島近辺の地域は歴史を振り返ると、昔から地震が多い地域です。
1771年、南西諸島の西部に位置する八重山諸島では地震による大きな津波を経験しています。
また、1911年、鹿児島県喜界島南方でマグニチュード8.0の大規模な地震が発生し、震度6が観測されています。
西表島付近では1991年から1993年にかけて地震活動が活発になり、沖縄県竹富町では3年間で2000回以上の有感地震を観測しています。
トカラ列島に地震が起こる原因
トカラ列島は南西諸島の鹿児島寄りに位置しています。
南西諸島は琉球海溝と沖縄トラフに挟まれた弧状の列島で、南西諸島海溝の発端は、南海トラフとも繋がっています。
この辺りは非常に大きな海底の大陸プレートの境界に位置するため、地殻の変動が原因で地震が頻発する地域です。
また、トカラ列島には活火山の諏訪之瀬島が含まれ、活発な火山活動が観測されています。
このこともまた、トカラ列島の群発地震を引き起こす原因になっています。
今後の予想
トカラ列島の群発地震で最も心配されるのは、これから起こると予測されている南海トラフ大地震との関連です。
南海トラフ大地震については、数年前からいつ起きてもおかしくないと予想されています。
過去のデータを見ると、群発地震の後、大きな地震が来た例は確かにありますが、一連のトカラ列島の群発地震は諏訪之瀬島の火山活動によるものとの見方が強く、大きな地震の前兆である心配はそれほどないようです。
しかし歴史的に見ると、過去には諏訪之瀬島において火山の大噴火が起こり、溶岩流が海岸まで吹き出し、全島民が島外に避難し、その後70年間無人島だった事実があります。
いずれにしても、この地域はいつ大規模な地震や火山の噴火が起きてもおかしくない状態と言えますので、防災への意識を高く持つ必要があるでしょう。