間違えやすい確信犯の意味って本当は何?


日常会話の中でも割と使う「確信犯」という言葉。

「知らなかったって言ってたけど、あれ確信犯だよねー」のように、わかっているけど知らないふりをして行動する人に対して使う人も多いようです。

しかし、確信犯という言葉は本当にその使い方で合っているのでしょうか?

確信犯の本当の意味についてまとめました。

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本来の意味

「確信犯」は19世紀ドイツでグスタフ・タートブルフという法律学者が作った刑法の用語です。

意味を調べると、「道徳的、宗教的または政治的信念に基づき、本人が悪いことではないと確信してなされる犯罪。思想犯。政治犯。国事犯など。」とあります。

つまり本人は正しいと思っているため「間違いだと知っていて行う」という、日常で使われている確信犯とは正反対の意味なのです。

一般的に使われている、悪いことと知っているのに行う人の事は「故意犯」です。

確信犯が故意犯と同じ意味で使われるようになったのは1990年頃で、わずか10年ほどで一般的に使われるようになりました。

2002年、文化庁の「国語に関する世論調査」では60代以上の方が確信犯の意味を「分からない」という方と故意犯と同意味で使う人が半々くらいでした。

それに対して50代より若い年代は圧倒的に故意犯と同じ意味で回答。

20代に関しては77%もの人が故意犯と同じ意味で確信犯を使っていることがわかりました。

文化庁が連載している「言葉の意味Q&A」では、本来の確信犯という言葉のかわりに「テロ」や「テロリスト」という言葉が多く使われるようになっているとあります。

普段使う意味は間違っている?

確信犯の本当の意味が「正しいことと信じて行う犯罪」であれば、正反対の「間違いだと知っていて行う犯罪」は間違いのはずです。

しかし、国語辞典を調べてみると二つ目の意味に、「悪いことだとわかっていながら行われた犯罪や行為。また、その行為を行った人。」とあります。

実は、辞典によって二つ目の意味に対し「厳密にはこの用法は誤用である。」という一文が加わっているものと加わっていないものがあります。

言葉は使われているうちに意味が変化し、それが定着すれば新しい意味として辞典にも載るようになるのです。

「確信犯」は新しい意味が増えている最中の言葉と言えます。

以前は新聞や雑誌などの校正で間違いとされていた使い方でも現在ではそのまま使われることも増えています。

まとめ

確信犯は国語辞典に日常的な使い方が加わったからと言って、本当の意味では犯罪を行った人に使う言葉です。

また漢字に「犯」が使われている言葉なので、本来の言葉の意味を知らない方でも不快に思う方もいるようです。

冗談がわかる相手になら使っても問題ありませんが、真面目に受け止めてしまう方に失礼な人だと思われないよう使い方を見直してみましょう。

・元は刑法の用語
・本当の意味は、正しいと信じて罪を犯すこと
・現在では間違いに気づいていながら行うという意味も付け加えられた

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