高血圧と健康診断で指摘されても、普段の生活に苦痛があるわけではないため、どこをどう気をつけたらよいのかわからない人も多いと思います。
この記事では高血圧のためにどんな病気になってしまうのか、また自分で自覚できる症状としてめまいやしびれと高血圧の関係についてお伝えします。
高血圧とめまいの関係は?
高血圧のために直接めまいが起こることはまずありません。
しかし高血圧から生活習慣病にかかり、その病気のせいでめまいが起きてしまうことがあります。
椎骨脳底(ついこつのうてい)動脈循環不全という怖い病気があります。
首と脳をつないでいる大切な動脈に椎骨動脈、脳底動脈という血管があります。
高血圧が原因で起こる脳梗塞、脳血栓で動脈に血流障害が起きると、首から頭部に十分な血液が運べなくなります。
この血流障害が原因でめまいが起こることを、椎骨脳底(ついこつのうてい)動脈循環不全と言います。
このような仕組みで高血圧から脳の病気になり、めまいが起きることもあります。
椎骨・脳底の動脈循環不全によるめまいの症状は?
めまいには大きく分けて3つの種類があります。
メニエール病に代表される回転性めまい、ふらつきに吐き気も伴う動揺性めまい、立ちくらみでふらふらする時と同じような眼前暗黒感です。
椎骨・脳底の動脈循環不全によるめまいは、この中で「回転性めまい」に分類されます。
症状がめまいだけの時には三半規管の不調が原因のことが多いですが、回転性めまいの他にも体に何かしらの症状があるときには要注意です。
頭痛、手足のしびれ、話そうとすると舌がもつれて上手くしゃべれないなど、いつもの自分と違う症状が出たら脳の病気も疑ってみましょう。
次は高血圧としびれの関係を探っていきます。
高血圧としびれの関係は?
めまい同様、高血圧のために体のどこかがしびれるという症状はまず出ません。
しかし高血圧が脳の病気を引き起こし、自覚症状としてしびれが出ることがよくあります。
私たちにとってしびれというと、正座して足がビリビリしびれるイメージが強いですよね。
脳梗塞など脳の重い病気で起こるしびれのイメージがいまひとつハッキリつかめないことが多いです。
正座で足がしびれるのが狭義のしびれだとしたら、脳梗塞などで起きる広義のしびれの特徴を知っておく必要があります。
高血圧から脳梗塞になってしまった場合、どんな風に体の一部がしびれてくるのでしょうか。
脳梗塞など脳の病気で起こる体のしびれとは?
しびれの種類は3種類に分類され、寒い、痛いなど感覚が鈍くなる知覚麻痺、筋力が低下して動かなくなる運動麻痺、安静にしても手足がビリビリするなど異常感覚があります。
このうち脳梗塞など脳の病気で起こる体のしびれは知覚麻痺と運動麻痺です。
正座して足がしびれるのは正常な反応とはいえ3つの中では異常感覚に近いため、脳梗塞で手足がしびれると言われて知覚麻痺と運動麻痺と結びつくとはなかなかピンときません。
高血圧から脳梗塞になり、しびれが出るときには感覚が鈍くなる知覚麻痺、手足が動かしにくくなる運動麻痺が出るものと思いましょう。
脳梗塞の手足のしびれと正座したときの足のしびれは全く性質の違うものです。
高血圧によって起こる症状は?めまいやしびれとの関係のまとめ
筆者の父も去年高血圧から脳梗塞になりましたが、足がしびれたというよりは右足が全く上がらなくなり、歩けなくなる片足麻痺の症状が出ました。
運動麻痺だけでなく知覚麻痺も出て、足の感覚が鈍くなったのは高齢の年のせいだと思いこんでいたのですが実は脳梗塞だったのです。
めまいの方はメニエール病持ちで薬を飲んでいて、脳梗塞によるめまいは薬で抑えられていて出なかったようです。
高血圧から脳梗塞を起こした時、めまいやしびれは詰まった血管の場所によって一人一人、症状の出方が違います。
普段の自分とは違うと感じたら、年のせいだと思わないで、早めに大きな病院で脳や心臓の検査を受けるようにしてください。
特に日頃、高血圧症と言われている人は異常を感じたら脳梗塞、脳いっ血、脳血栓を疑いましょう。