平安時代の初期から宮中では大晦日に追儺(ついな)という鬼を払う行事を行なっていて、それが室町時代に豆を炒って鬼を追い払う行事となりました。
これが一年最初の季節になる立春を迎える前に鬼を払う行事として、立春の前日になる節分に「魔の目を射る」という意味で、炒った豆をまく豆まきへと変化して今に至っています。
基本的に特に福が来て欲しいが豆をまきます
豆をまく人は基本的にその家の主人にあたる人や年男・年女・厄年の人になり、鬼の役をする人は本来はいりません。
まく豆は前日に神棚に供えて、鬼がやってくる当日の夜にまきます。
豆をまくことに意味があるので、まき終わったらすぐに回収しても大丈夫です。
まいた豆は、福を体内に呼び込んで新年の厄払いを行なう意味で自分の年に1つ足した数を食べます。
マンションでの豆まきは周りの迷惑を考慮する必要があります。
そのため、通路などの共有箇所に出てしまう場合は、小袋に入れた豆をまいてすぐに回収します。
高層マンションの窓など外にまけれない場合は、ベランダや閉めた窓などに向かって鬼は外と叫んでまくか、それもできない場合は仕方がないのでまかないのも選択肢にあって大丈夫です。
声の大きさは関係ないので迷惑にならない大きさで豆まきをします。
玄関から鬼を追い払う場合の豆まきの作法
節分の豆まきの作法ですが、最終的に鬼を追い払い福を招き入れることが目的ですから、目的を達成できる方法や順番で豆まきを行ないます。
具体的には、平屋でない場合は最上階から下の階に向かって、そして、奥の部屋から玄関に近い部屋までの順番で豆まきを行い最後に玄関で豆まきを行ないます。
豆まきの作法は先に窓を開けて鬼は外と叫んで豆を外にまいた後に、窓を閉めて福は内と叫んで豆まきを行ないます。
これを玄関に近い部屋に向かって順番に行い最後に玄関を開けて鬼は外と叫んでから玄関を閉めて福は内と叫んで終わります。
ただ、地域や家庭によって豆まきの順番は違ってきますが、鬼を追い出して福を家に招き入れることが目的ですから、目的を理解した上で地域や家の作法で豆まきを行なうと豆まきの意味をより理解できるようになります。
鬼門の方角にに向かって鬼を追い払う場合の豆まきの作法
地域によっては玄関で鬼を追い出すのではなくて、鬼門に向かって鬼を追い出す風習を持って豆まきを行なっている地域もあります。
鬼門は鬼が出入りする方角で丑寅の方角になり、東西南北でいうと東北の方角になります。
豆をまく部屋の順番は、鬼門と反対側である西南の方角にある部屋から東北の方角にある部屋に向かって豆まきを行なっていき、最後に東北の方角にある部屋で豆まきを行なって終わります。
豆をまく作法は、窓を開けて鬼は外と叫んでまいてから窓を閉めてから福は内と叫んでまいていきます。
まとめ
節分の豆まきの作法は方角も含めて地域や家庭によって違います。
それだけ柔軟性があるといえるので、鬼を払って福を招き入れるという豆まきの基本を守っていれば、周りの迷惑を考慮しながら、豆をまく作法が今後も変化していくことでしょう。