夏のお祭りで大活躍の浴衣は海外からのお客様にも人気の和服です。
見た目は着物とあまり違いがないように思える浴衣ですが、着る場を間違えると恥ずかしいことに…
そんな失敗をなくす為に浴衣を着る場面、見た目の違いを2つのポイントでご紹介します。
浴衣と着物の違い
一般的に浴衣は着物と区別して使われていますが、全くの別ものというわけではありません。
着物の種類には振袖や訪問着、黒留袖、小紋など種類があり、浴衣もそのうちの一つです。
浴衣は本来風呂上りのバスローブやパジャマのように使用されていた部屋着のため、着心地が軽く作られています。
他にも汗を吸いやすい綿や綿麻でできている物が多かったり、帯も半幅帯など従来の帯より軽いものを使用して過ごしやすい工夫がされています。
しかし、昔は白地や紺など地味なものが多かった浴衣も現代では外に来て行くお洒落着の要素が強いため、生地の柄で着物と見分けるというよりも着る方法に違いが現れます。
主に夏に着ることが多い浴衣は基本的に素肌の上に下着だけ着ますが、着物の場合は必ず下に長襦袢を着るため、少しどっしりとした印象です。
また、見た目で一番わかりやすいのは足元です。
浴衣は素足に下駄などを履くのですが、着物を着るときには足袋を履いてから下駄を履きます。
例外で高級浴衣の場合には長襦袢を着用することもあり、その場合は足袋も合わせて履きます。
着物の使い分け
着物にはそれぞれ格があり、場面によって着る物が決まっています。
基本的に着物と浴衣を比べると着物の方が高価ですが、格が高ければどこに着ていっても良いというわけではありません。
結婚式では自分が新郎新婦の母親であれば既婚女性の第一礼装である黒留袖、自分が新婦であれば未婚女性の第一礼装である本振袖を着ます。
自分が未婚で姉妹の結婚式に参加する場合は色留袖、友人知人の婚礼には訪問着などを着るようにしましょう。
格の高い振袖は食事や旅行には適しませんが、お見合いや卒業の時に着る事もできます。
食事やお茶会など第一礼装ほどの格は必要なく、浴衣ではちょっと浮いてしまうという場合は訪問着や色無地、小紋の着物が適しています。
浴衣は主に暖かい時期の買い物や夏祭りで着ますが、日本文化に触れたいという海外の方と交流する場合には手軽な浴衣を使用する方も多いようです。
歌舞伎などの伝統芸能を鑑賞する場合は興行の規模や場所にも寄りますが、着物を見慣れている方も多く、浴衣が歓迎されないこともあるようですので気をつけましょう。
まとめ
日常であまり和服に馴染みのない人にとって区別が付きづらい着物と浴衣の違いですが、普段から和服を着る場面が多い方から見るとすぐに違いが分かります。
着物に詳しい方が多い場所に行く場合は特に、おしゃれのつもりで着て行った着物が逆効果になってしまうこともあるので格や柄は気をつけて選びましょう。
・着物は長襦袢を下に着るが、夏に着ることが多い浴衣は素肌の上に着るので見た目も涼しい
・一番見た目の違いが出る足元は、着物が足袋を履くのに対して浴衣は足袋を履かないという違いがある
・着物には格があるので、場所や結婚しているのかで選ぶ