なし崩しの意味と使い方とは?


なし崩しという言葉がありますが、「なし崩し的に建設を始める」という言葉にしっくりくる方としっくりこない方がいます。

理由はしっくりくる方としっくりこない方ではなし崩しの意味と使い方が違うからです。

なし崩しの2つの意味と使い方について解説します。

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なし崩しの2つの意味は?

1,物事を少しずつ進めたり片付けたりすること。

2,1が転じて、勢いのままに、曖昧だったり、うやむやの内に、もしくはその場の雰囲気で物事を進めようとすること。

語源は借金を少しずつ返すという意味だったようです。

2は誤用と言われていますが、複数の辞書に掲載されています。

本来は誤用なのかもしれませんが、それだけ一般に広まったということでしょう。

なし崩しの使い方

物事を少しずつ進めたり片付けたりという意味での使い方なら、

「なし崩しに慣例を変えていく」

「夏休みの宿題をなし崩しに終わらせた」

といったように、少しずつ何かを進めたり、片付けたりするような使い方をします。

最近ではこの意味ではあまり使われていません。

勢いのままに、曖昧やうやむやのうちに物事を進めようとするという意味での使い方なら、

「法案をなし崩しに可決した」

「なし崩しに進めた結果、多くの損失を出してしまった」

というような使い方をします。

なし崩しの歴史

なし崩しは江戸時代から使われ出したようです。

漢字では「済し崩し」と書きますが、この済しというのは義務を果たすことや借りを返すことを意味します。

当時の江戸には月済金や日済金という高利貸しがいて、その高利貸しに金を返す様子が元となりました。

月済金は月々、返済し、日済金は毎日、返済をするという違いがあったようです。

この日済金は江戸時代後期から明治時代初期に盛んになったという意見もあり、その頃に生まれた言葉なのかもしれませんが、詳細は不明です。

しかし、江戸時代には庶民向けの金融業者が数多くいたようで、現代でもその内の1つである質屋は残っています。

最後に、なし崩しの言葉の意味は、物事を少しずつ進めていくというものです。

それが、転じて、その場の勢いや雰囲気、もしくは曖昧やうやむやなまま物事を始めるという意味になり、こちらは誤用だという方も多いです。

恐らく、後者の意味になったのは最近のことなので、誤用という方もいるのでしょう。

いつから使われたのかは分かりませんが、今ではマスコミでも使われているので、後者の意味として認識している方も多いというのが現状です。

ただ、相手によっては噛みあわない会話になる可能性がないとはいえないので、使う時は注意が必要です。

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