沖縄で有名なお酒と言えばご存知、泡盛です。
では、その泡盛を熟成させると味も香りも見違えるほどさらに美味しくなることは知っていますか?
3年以上寝かせて熟成させた泡盛を「古酒(クースー)」と言います。
泡盛はワインなどの洋酒とは違って、熟成に樽を必要とせず瓶でも熟成ができます。
そのため、沖縄では古くから古酒は愛され、家庭でも作られてきました。
その作り方とは、いったいどのようなものでしょうか。
泡盛を古酒に育てるその作り方
泡盛を古酒にするには「仕次ぎ」という方法が使われます。
具体的にはまず、年代物の一番古い泡盛を親酒として甕(かめ)に用意します。
次に古い泡盛を二番甕、その次に古い泡盛を三番甕、といくつか用意していきます。
飲むときには親酒から汲みだし、そこで減った分は二番甕から補充し、二番甕には三番甕から補充をする、ということを繰り返します。
そうして3年以上熟成させて古酒へと育てるわけですが、より質の良い古酒に仕上げるには汲みだす量を1年のうちで5~10%に抑える方が良いとされています。
あえて長年飲むことを我慢して質の高さを追い求めるということも、古酒の楽しみであり奥の深さでもあります。
極上の古酒に作る為の3つのポイント
度数が高く味の濃い泡盛を用いる
度数や味が濃いということは、それだけ成分が濃いということです。
成分の濃い泡盛はそれだけコクや香りも強くなっており、それは泡盛の味を大きく左右しています。
当然、これは親酒にも継ぎ足し甕にも共通して言えることです。
甕で貯蔵する
前でも触れたとおり泡盛は瓶でも熟成することができますが、甕の方が格段に良い古酒に仕上がります。
というのも、甕には空気が多く含まれており酒の酸化を促進させるからです。
同時にミネラルが含まれており、それには熟成を助ける働きがあるので古酒をより香り高く味の良いものへと導いてくれます。
定期的に甕の重さや中身の量をチェックする
甕の保存状態によっては、長期的な保存によって中身が蒸散してしまったり、アルコール分が飛んでしまうことがあります。
そうなってしまってはせっかくの古酒も台無しです。
それを防ぐためには、まずは蓋の密閉は入念に行います。
そのうえで、重さや中身を実際に量ったり見たりして定期的にチェックすることが重要です。
家庭でお手軽に試してみる作り方もアリ
古酒の作り方とポイントを述べてきましたが、実際に家庭で作るとなると材料も道具も必要となりハードルも高いことでしょう。
そこで、味が落ちてしまうことは確かですが、瓶で泡盛を用意して古酒作りを行うことも可能です。
この作り方だと、瓶のまま飲まずに数年かけて寝かせておくだけなので手軽に試すことができます。
興味を持たれた方は是非、泡盛の古酒作りにチャレンジしてみてください。