荷物に天地無用というシールを貼ってある場合があります。
上下を逆さにして運ぶと壊れたり中身が出たりなどするので、上下を逆さにしないように運んで欲しい荷物に貼りますが、誤解している人もいます。
なぜ天地無用という言葉を誤解するのか、そもそも天地無用の語源は何なのかについて述べていきます。
天地無用はなぜ誤解されるのか
天地無用というシールが貼られている荷物は、上下逆さまにしても大丈夫ですよという意味だと誤解されていることがありますが、なぜそのような誤解が生まれてしまうのかは、天地無用の文字の意味を間違って解釈してしまったためと思われます。
具体的には、天地無用という文字を見たときに、単純に天と地が無用と判断し、無用というのは必要が無いと誤解した結果、天と地は必要がないと判断してしまい、上下は関係ないですよと誤解してしまうということだと思われます。
天地無用の語源からみる本当の意味とシールを貼る位置
天地という言葉の意味は、「天と地」や「世界」、「世の中」という意味で使われます。
例えば「新天地を求めてメジャーに挑戦する」というように用いたりします。
そしてその他の意味としては、「書籍や荷物などの上と下」を天地とも言います。
ただ、天地を上下と解釈しても、上下を逆にするという意味になりませんが、上下を逆さにするという意味での語源が、昔の表現で「天地する」という言い方でありました。
この表現は、江戸時代に薬屋を営みながら滑稽本などを出版していた、式亭三馬が書いた「早変胸機関(はやがわりむねのからくり)」に使われています。
天地するの語源は、裾廻しの下が摩れて汚れが付き易いので、仕立て直すときは上下を逆さにしていたということで、そのようなときに「天地する」と表現していました。
無用という言葉の意味ですが、「役にたたない」とか「いらない様子などを表す言葉」であったりしますが、「してはならない」という禁止を表す言葉でもあります。
具体的な表現方法としては、「他言無用」とか「貼紙無用」のように使用して、注意を投げかけて行なわないように促す場合に使用します。
このように天地と無用という言葉の語源から解釈すると、天地無用は「天地することは無用」という表現になって、意味としては「上下を逆にしてはならない」という解釈になります。。
天地無用のシールを貼る位置は、荷物で上にしたい面に貼りますが、運ぶときはシールを貼られている面を上にして、逆さにしたり傾けたりしないで運びます。
まとめ
最近では天地無用というシールではなくて、↑↑のシールで天地無用の代用に貼ることもありますが、↑↑であれ天地無用であれ、貼られた荷物を運ぶ場合には、誤解してしまうと荷物の中身が壊れてしまう場合もありますし、逆に誤解して貼ってはならない位置に貼ってしまうと、貼っている面を上にして運んでも荷物を開けたら壊れてしまっていた。ということがあるかもしれません。
そういうことがないようにするためにも、荷物を梱包するときにも運ぶときにも注意をしていきたいものです。