出産手当金は身近に詳しい人がいないと誰が教えてくれるでもなく、なんとなく会社から言われた通りにしがちです。
計算式を使って自分で計算できるようになるとどれくらいもらえるのかだけでなく、いつまで働くのかなどもわかります。
手取りで計算するのと月給全額から計算するのでは支給額に大きな差が出てしまいますし、退職や休職するタイミングを間違えても大損をしてしまいます。
出産手当金がどれくらいもらえるのか、いつまで仕事をすればいいのかシンプルにまとめました。
出産手当金の計算方法
出産手当金は会社に勤めていて健康保険に入っていれば基本的に受け取れますが、国民健康保険の方や扶養範囲で働いている方は受け取れませんので注意が必要です。
給与の手取り金額ではなく税金を引かれる前の月給額から計算するので覚えておきましょう。
また、4~6月の3ヶ月間の給与を平均した月給額で計算するため、この時期の給与が多ければ計算式で使われる月給額も高くなります。
計算をするためにまず、月給を日給に置き換えましょう。
残業代や手当てを含めた平均月給÷30日=日給
一ヶ月のうち実際に働いている日数は30日でなくても、この場合は全ての人が30で割ります。
出産手当金は先ほど計算した日給の3分の2×休んだ日数で計算できます。
例)月給15万で60日会社を休んだ場合の計算式
月給15万÷30日=日給5000円
日給5000円の3分の2は50銭未満で切り捨て3333円のため、3333円×60日=199,980円
間違えて手取りで計算してしまうと、月給15万は一般的な計算で手取りが約12600円のため、もらえる手当金が約168000円となります。
正しい計算方法と32000円ほど差が出てしまうので間違えないようにしましょう。
損をしないポイントは会社からの報酬
出産手当金の対象期間は産前42日~産後56日です。多胎の場合は産前98日、産後56日となります。
会社が出産中に給与を支払っている場合は出産手当金を受け取れません。
つまり、出産42日前を過ぎてから働いたり、有給を利用して休みをとってしまうとその日の日給は手当てから省かれてしまいます。
例)月給15万で出産1週間前まで出勤や有給を使い、産後1ヶ月を産休にした場合
月給15万÷30日=日給5000円、5000円の3分の1=1日ごとの手当金3333円
出産前7日+産後30日=37日 3333円×37=123321円
本来なら産前42日と産後56日で合計98日分の手当てが支給されるので、申請をしっかりしていれば326634円です。
20万以上も差が出て、しかも有給まで消化してしまったら本来もらえる金額を聞いた時にガッカリすること間違いなしです。
会社から給与が出ている期間は出産手当金の対象外にはなりますが、もし出産時期が賞与と重なっていれば賞与はもらえます。
但し、報酬が年俸制で賞与が給与として扱われている場合は出産手当金を算出されるときに給与としてあつかわれるので注意が必要です。
出産前に働いてはいけないという決まりはありませんが、いつまで働くかはしっかり計画を立てて申請をしましょう。
まとめ
出産手当金の申し込み用紙は会社や、勤務先の管轄する協会けんぽや保険組合で入手できます。
振込みは受理されてから1~2ヶ月ほどかかるので計画は早めに立てて申請しましょう。
・手取りではなく、1ヶ月に支払われる全ての給与から計算する
・出産手当金の計算式は、日給の3分の2×休んだ日数
・会社が給与を支払っている期間は含まれない
・健康保険に入っていれば支給されるが、国民健康保険、扶養範囲内の労働は含まれない
出産予定はあるけど申請が面倒だと思っていた方も、計算式を使用して自分に支給される額をたしかめてみましょう。