りんご病とは正式には「伝染性紅斑」(でんせんせいこうはん)という名前です。
感染すると真っ赤に熟したりんごのように頬が赤くなってしまうことから、りんご病と名付けられました。
子供のかかる病気として有名ですが、大人にも移ってしまいます。
大半の人にとってはきれいに治ってしまう怖くない病気なのですが、妊婦のお腹の中で育っている赤ちゃんにとっては命取りとなるやっかいな病気としていま注目されています。
りんご病に妊婦がかかってしまった場合、特に妊娠初期の妊婦が感染したらどうなってしまうのか、お伝えしたいと思います。
子供と大人のりんご病の違いは?
子供のりんご病では真っ赤な頬が目印ですが、大人のりんご病は大変わかりにくい症状です。
発疹は頬だけでなくお腹、腕、太ももなど面積の広い所に出ます。
微熱、関節痛、だるさが出ますが、風邪をひいたのではと勘違いすることが多いです。
むくみ、手足のしびれは妊婦さんにとっては妊娠のせいではと思いがちです。
また大人のりんご病では全く自覚症状が出ないこともあります。
かかったことに気づかないかもしれないりんご病、妊婦さんがかかったらどうなってしまうのでしょうか?
妊娠初期の妊婦はりんご病で流産、死産になることも
大人も子供もりんご病にかかった場合、治らない病気ではありません。
しかし妊婦とお腹の赤ちゃんにとっては別で、妊娠初期の妊婦がりんご病にかかってしまうことで流産、死産になってしまうことが問題になっています。
大きな統計をとったわけではないですが、りんご病にかかった妊婦のうち多くが胎児にも感染していまい、中には生まれることなく亡くなってしまう赤ちゃんもいるようです。
この流産死産にはりんご病特有の血液の仕組みが関係しています。
なぜ初期の妊婦がりんご病になるとお腹の赤ちゃんが亡くなってしまうのでしょうか。
胎児が赤血球をうまく作れなくなってしまう病気
りんご病のウイルスは人の体の血液中の「赤芽球」(せきがきゅう)というところに感染します。
この赤芽球というのは赤血球を作る芽となるもの、ここにウイルスが感染すると赤血球をうまく作れなくなってしまいます。
妊婦がりんご病に感染すると、胎児にも感染してしまうことがあります。
胎児の場合は全身の血液量そのものが少ないため、りんご病にかかるとまず貧血傾向になります。
症状が進むとむくみがひどくなり、「胎児水腫」(たいじすいしゅ)が起きます。
胎児の体にたえられなくなった場合には、流産や死産になってしまいます。
防げるものなら防ぎたい、妊婦へのりんご病の感染です。
どのようにして防げば良いのでしょうか。
上の子のりんご病感染に注意する
妊婦への感染ルートとして最も多いのは、上のお子さんが幼稚園や保育園でりんご病に感染し、下の子妊娠中のママにも感染してしまう家庭内感染です。
りんご病は予防接種もないため、5年おきに流行すると言われています。
りんご病流行の情報が流れたら、上のお子さんがりんご病に感染しないか注意すると良いでしょう。
またりんご病の感染は風邪と同じ飛沫感染、接触感染です。
手洗い、うがい、マスクが自分でできる予防方法となります。
まとめ
りんご病の流行時期は5年おきと言われています。
運悪く妊娠初期にりんご病にかかってしまった場合、お腹の赤ちゃんにもりんご病が移ってしまうことがあります。
その場合赤ちゃんはうまく血液を作ることができず、むくんでしまったり中には亡くなってしまうこともあるようです。
上の子がりんご病にかかり、下の子を妊娠している人にも自覚症状があったら、早めに産婦人科を受診して検査を受けましょう。
お腹の赤ちゃんをしっかりエコーで見極めることで、赤ちゃんの状態をチェックしていけます。