食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋など、秋を表す言葉はいくつもあります。
季節は春夏秋冬あるのに、なぜ秋ばかり呼び方がいくつもあるのでしょうか。
食欲の秋と読書の秋がなぜ秋ばかりなのか、言葉の由来に注目してみました。
食欲の秋の由来
秋は野菜や果物など多くの食べ物が旬で収穫できる季節です。
昔から日本では農業や漁業が中心の生活をしている人が多く、春に蒔いた種が収穫できる秋には様々な食べ物が旬を迎えます。
秋が旬な野菜:かぼちゃ、じゃがいも、はくさい、なす、にんじんなど
秋が旬な果物:かき、みかん、りんご、イチジク、栗、梨など
秋が旬な魚:いわし、かつお、鮭、さば、さんま、にしん、はたはた、しらすなど
秋が旬な海産物:いくら、カニ、こんぶ、のり、スルメイカなど
その他:あずき、ごま、ピーナッツなど
このように秋はおいしい食べ物が沢山あり、ビニール栽培や養殖もなかった時代には秋にしか食べられない物も多くありました。
食欲の落ちる夏の暑さから開放され、厳しい冬の前に栄養をつけるため自然と食欲が出てくる季節でもあります。
なぜ食欲の秋という言葉が出来たか、出来事や人物がいるわけではありませんが食への関心が高まる秋に自然と使われるようになったのもうなずけます。
読書の秋の由来
読書の秋の由来は「灯火親しむべし」という詩と言われています。
これは古代中国の韓愈が詠んだ詩で、秋の夜長は明かりをつけて読書するのに適しているという意味です。
日本では1908年(明治41年)、夏目漱石が「三四郎」で触れているのが最も古いと言われています。
読書の秋という言葉は1918年(大正7年)の読売新聞で使用されています。
そのころはまだメジャーではなかった「読書の秋」が、なぜここまで広まったかというと、文化の日を中心に制定された読書週間が関係しています。
1924年には日本図書館教会が11月17日から11月23日までの1週間を図書週間と制定し、1933年には改称されて「図書館週間」となりましたが戦争の影響で一度は廃止されていました。
しかし戦後昭和22年には11月17日に「読書週間」が開催され、読書の秋を根付かせたきっかけになったとも言われています。
現在でも10月27日から11月9日までの2週間は集中的に読書を推奨する読書週間があります。
まとめ
食欲の秋と読書の秋が、なぜ秋なのか共通点を探ると秋には魅力が沢山あることがわかります。
おいしい食材が出回り、気候も過ごしやすく、夜も長い秋はゆったりと過ごすのに最適です。
あまり大型の連休がない季節ですが、自分の日常にゆとりを持って新たな楽しみを見つけてみてはいかがでしょうか?