近年漁獲量が減少して価格が高騰しているうなぎですが、近畿大学ではうなぎの代替としてエサや水を改良してうなぎに似た味がするなまずの開発に成功し、イオンはそのなまずを蒲焼にして2016年7月23日から発売を開始して話題になりました。
そのようにうなぎの代わりとして注目されたなまずですが、そもそもうなぎとなまずの違いや栄養はどうなっているのでしょうか。
行動範囲が広いうなぎと行動範囲が狭いなまずの違い
うなぎはうなぎ目うなぎ科に属していて、同じうなぎ目にはアナゴやハモ・ウツボが属していて親戚関係にあります。
ニホンウナギの場合、日本・朝鮮半島からベトナムまでの東アジアに広く分布しています。
グアム島やマリアナ海嶺辺りで産卵していると言われていますが、詳しい生態はまだ分かっていません。
孵化した稚魚は透明で細長い形をしていて、海流に乗って日本にやって来て川に入って成長します。
成長したうなぎはその後海に帰って海で産卵します。
うなぎには細かい鱗があって、肌の色は川で生活しているときは黄色く見えるので黄うなぎと呼ばれていて、海で生活しているときは銀色に見えるので銀ウナギとも呼ばれています。
うなぎと違ってなまずは、なまず目なまず科に属する硬骨魚類の1種で、日本や中国など東アジアの河川や湖沼に生息する肉食性の淡水魚で、同じなまず目にはギギやゴンズイなどが属しています。
扁平な頭に長いひげが特徴で鱗がなくて、体表はぬるぬるしています。
うなぎは脂質が多いですが、なまずはうなぎよりも脂質が少ないのでパサパサした淡白な食感ですし、なまずはうなぎよりも泥臭いです。
ただ泥抜きをしっかりと行なうことで、刺身としても食べられています。
高カロリー高栄養のうなぎに低カロリー低栄養のなまず
カロリーはうなぎとなまずでは違い、うなぎ100gあたり255kcalに対してなまずは159kcalしかありませんし、たんぱく質も脂質もうなぎよりもなまずの方が少ないです。
栄養の面でもうなぎとなまずは違い、ビタミンでは1食あたりうなぎはなまずの約58倍のビタミンAを含んでいますし、ビタミンDはなまずの10倍も含んでいます。
なまずに多く含まれているビタミンB1やB12・ビタミンEも1食あたりで換算するとうなぎの方が多く含まれています。
ミネラル類もうなぎとなまずは違い、カリウムや亜鉛を豊富に含んでいるうなぎに対してなまずはミネラル類をあまり含んでいません。
まとめ
このように生態的にも栄養的にもうなぎとなまずには大きな違いがありますが、例えばビタミンB1や12・ビタミンEはうなぎよりも少ないとはいえそれなりに含んでいますし、何より低カロリーですので、夏に食が細くなったけれどうなぎの蒲焼が食べたいという人にとっては、なまずの蒲焼は朗報になるかもしれませんので、今後の近畿大学の更なる研究に期待が高まります。